✴︎Sélection Souk ✴︎
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マラケシュの街に外国人ツーリストたちの姿が戻るまでの、期間限定プロジェクト。
当初はこのような目的で「SOUVENIRS〈スーヴニール〉=おみやげ」と題してスタートした企画。
長く続いたパンデミック。鎖国政策が続く中、来るはずのない観光客のために、ひっそりと静かに店を開けているお土産屋さんを回っていたころ。
もともとそれ以前から長い付き合いだったじゅうたん業者のホセインさんとは、これを縁に家族ぐるみでの関係を育むことができました。
今や観光客が戻ったマラケシュですが、市街地から1時間半も郊外に行った山の上の彼のお店までは客足はなかなか到達しません。
彼らの暮らしにほんの少しでも貢献したい。何よりも、サイズと言い、色柄と言い、ここのボシャルウィットが一番好き!
そんな純粋な思いで、これからも引き続き販売を続けてまいります。
<ボシャルウィット boucharouit بوشرويط とは>
「ぼろをまとった親爺さん」を意味するボシャルウィットは、家庭内で使うために古くからベルベル族の村々で作られてきたモロッコの敷き物。近年、フランスの一流メゾンが目をつけたことから世界中で一世を風靡したボシャルウィットは、モードの波が押し寄せるまでは純粋な調度品のひとつでした。
最低限の生活用品さえもが不足がちな日常の中で、使い古した衣類を工面して織り上げるささやかな生活美。
今回は、マラケシュ郊外の山間の集落で作られているものの中から、日本のご家庭でも使いやすい小ぶりのサイズのみ集めました。
玄関マットやベッド・サイドに。あるいはモロッコのタクシー・ドライバーたちのように、ソファや椅子の背もたれから座面にかけて使うのにも良さそうです。
《ホセインさんとベルベル村の女性たちによるボシャルウィット》
マラケシュの街から観光客が消えて1年以上が過ぎました(2021年時点での内容)。
そんな中、この1年でめざましい変化を感じるのはスークの業者たちのSNS活用術。
現代のテクノロジーと持ち前の語学能力と外交力?を駆使して連日のように外国に向けて発信し、どうにかこの難を凌いでいるようです。
スークでも世代交代が進んで、ミレニアル世代が引率するような時代になって久しい今日だからこそ実現していることだなとしみじみ。
頼りがいある後継やスタッフがいるお店にとっては、まさに不幸中の幸いだと思います。
一方で問題になってくるのが、逆にインターネットの知識や手段を持たない人たち、持ちようにも持てない人たちだけで営んでいるお店です。まさに情報格差を感じざるを得ません。
今回、そんな“取り残されつつある”お店のひとつから、ボシャルウィットを買わせていただくことになりました。
ベルベルの村でたった一人でじゅうたん屋を営むホセインおじさん。簡素で見逃しそうなほど小さいお店ながらも、村の女性たちが作るじゅうたんが所狭しと並んでいます。
どことなく清潔感があるボシャルウィットの作りには、女性たちとの交流や愛情を感じます。
すでにワクチン接種は済んでいるのだという60手前のホセインさん。まだ幼い子どもたちのためにも、どうにか踏ん張ってほしいものです!
わたしたちとともに旅しましょう。
アラビア語で「旅」を意味する「Rihla رحلة」にフランス語の冠詞「la」を付けて、フランス語風に「h」の音を欠落させて読ませた「ラリラ」。
モロッコ国内旅行や世界旅行からのインスピレーションによる、それぞれ日仏出身の男女ふたりによるユニットです。
マラケシュのスークや世界のマーケットやマルシェで掘り当てた、煌めく宝もの。旅先で出会った人々と、彼ら彼女らによるハートが踊る手仕事たち。
はたまた異国をめぐる旅の中で出会った素材を持ち帰り、モロッコの伝統技術で形にする。
エトセトラ、エトセトラ。
心の旅、知性の旅、味覚の旅、意識下への旅。旅をして生きる、旅の中で生きる。
「人生」という名の旅を心から愉しみ味わうためのエッセンスを、物や人を通してみなさまとシェアしてまいります。
https://www.semsem-paris-marrakech.com/larihla
〔Sélection Souk〕ボシャルウィットS79
縦:約97cm
横:約57cm