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✴︎səmsəm SOUVENIRS〈スーヴニール〉✴︎
souvenir;思い出、おみやげ
マラケシュの街に外国人ツーリストたちの姿が戻るまでの、期間限定プロジェクト。来るはずのない観光客のために、ひっそりと静かに店を開けているお土産屋さんを回って少しずつ買い集めたおみやげものを紹介いたします。
《ホセインさんとベルベル村の女性たちによるボシャルウィット》
マラケシュの街から観光客が消えて1年以上が過ぎました。
そんな中、この1年でめざましい変化を感じるのはスークの業者たちのSNS活用術。
現代のテクノロジーと持ち前の語学能力と外交力?を駆使して連日のように外国に向けて発信し、どうにかこの難を凌いでいるようです。
世代交代が進んでスークもわたしと同世代が引率するような時代になり、またミレニアム世代も成人して久しい今日だからこそ実現していることだなとしみじみ。
頼りがいある後継やスタッフがいるお店にとっては、まさに不幸中の幸いだと思います。
一方で問題になってくるのが、逆にインターネットの知識や手段を持たない人たち、持ちようにも持てない人たちだけで営んでいるお店です。まさに情報格差を感じざるを得ません。
今回、そんな“取り残されつつある”お店のひとつから、ささやかながら数枚ですが小さいサイズのボシャルウィットを買わせていただきました。
ベルベルの村でたった一人でじゅうたん屋を営むホセインおじさん。簡素で見逃しそうなほど小さいお店ながらも、村の女性たちが作るじゅうたんが所狭しと並んでいます。
どことなく清潔感があるボシャルウィットの作りには、女性たちとの交流や愛情を感じます。
すでにワクチン接種は済んでいるのだという60手前のホセインさん。まだ幼い子どもたちのためにも、どうにか踏ん張ってほしいものです!
<ボシャルウィット boucharouit بوشرويط とは>
「ぼろをまとった親爺さん」を意味するボシャルウィットは、家庭内で使うために古くからベルベル族の村々で作られてきたモロッコの敷き物。近年、フランスの一流メゾンが目をつけたことから世界中で一世を風靡したボシャルウィットは、モードの波が押し寄せるまでは純粋な調度品のひとつでした。
最低限の生活用品さえもが不足がちな日常の中で、使い古した衣類を工面して織り上げるささやかな生活美。
今回は、マラケシュ郊外の山間の集落で作られているものの中から、日本のご家庭でも使いやすい小ぶりのサイズのみ集めました。
玄関マットやベッド・サイドに。あるいはモロッコのタクシー・ドライバーたちのように、ソファや椅子の背もたれから座面にかけて使うのにも良さそうです。
〔səmsəm SOUVENIR〕ボシャルウィットS 6
縦:約98cm
横:約60cm