聖なる月の聖なる旅。ヒジュラ暦1443年ラマダン月(2022年4月)の初日から旅をした古都フェズでのインスピレーションから生まれた虹色のクッション。
「ラッラ・ワルダ」とは、モロッコの口語アラビア語で「マダム・ローズ」の意味。
このクッションが置かれている部屋では、ぜひバラの花に包まれたような心地でくつろいて欲しいという願いを込めました。
フェズはマラケシュと名声を二分する、今ひとつの職人の街とも言われています。とりわけ刺繍に関しては、マラケシュよりも秀でている(あるいは盛んである)印象。
マラケシュではあまり見ることができない豊潤な刺繍に感激し、今回、初めて自分たちの工房以外で、しかも他都市でオーダーを試みてみました。
思ったよりもずいぶん早く手元に届いて感激したものの、いざ検品してみると、半数はわたしの基準では到底売り物にならない出来栄え。
それもそのはず、聞けば熟練の技と集中力を要する緻密な作業なのだとか。女性たちがハンドで横振りミシンを操って刺繍を刺しているのです。オーダーの回数を重ねるにつれ、納得のいく出来上がりの作品が仕上がってくるようになりました。
そういったエピソードも経験しつつ、商品化までに色々な事情から長らく時を必要としましたが、春を前に完成させることができました。
今となっては、協力してくれた一家や刺繍を仕上げてくれた女性たちへの感謝の気持ちが大きいです。
ひとつひとつが手作業であること、また担当する女性の手によって花弁の形に多少のクセがあることをお含みおきいただければ幸いです。
本体を縁取るヴォリューミーかつ繊細なフリンジは、資材屋さんの倉庫の中で眠っていたものを掘り当てたデッドストック。
誰に聞いてみてもはっきりした記憶がないようですが、少なくとも90年代にはすでに生産がなされていなかったということですから、もはや立派なヴィンテージですね。
留め具としてあしらったのは、民族衣装・伝統着に用いられる“ラァカド”と呼ばれる飾りボタン。いずれも表面のヴェロアおよびフリンジに合わせて配色しております。
家と旅。プライべートとアヴァンチュール。正反対のように見えて、実は表裏一体。
スムスムのインテリアのシリーズでは、日常の中にも旅のエッセンスを取り入れるかのような、心がふわっと喜ぶようなアイテムをお作りしています。
いつものお気に入りの空間に遠い異国の色と柄で挿し色を入れて、自分だけの空間作りをお愉しみください。
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https://www.semsem-paris-marrakech.com/boutique?item=Cushion
※中材は付属しません。カヴァーのみの販売となります。
クッション・フランジュ&キャレ〈フェズ刺繍/ラッラ・ワルダ〉
本体
縦/約42cm 横/約42cm
フリンジ
長さ 約2-3cm
(縫製担当者の癖や元々の素材の長さによって差異があります。)