✴︎ səmsəm 7th anniversary ✴︎
2021年5月29日は、səmsəm7周年の記念日。COVID下での2度目の誕生日です。
7周年を記念して、個数限定のクッションを作りました。フランス人好みとされる、存在感のある大きめサイズです。
この1年の間でsəmsəmのものづくりに対する視座や在り方が大きく変わったような気がしています。
今そのように感じているというよりは、きっと後から振り返った時に「あの時が転換期だったのだな」と思うのではないかと感じるのです。
ひとつ大きく違うのは資材の仕入れの方法が変わったということ。
ロックダウンなどで買い付けに出かけるのが難しいという実情もあるのですが、同じお金を使うならば、今こそ回転させるべき場所に投じたいという気持ちが強く芽生えています。
可愛いだけじゃ絶対にいけない。
そして、それでもなお可愛くありたい!
物を作る者のひとりとして、社会や世界に対してどのような責任を持つべきであるのかを模索しています。
そこで今回の記念アイテムに使ったのが、サブラと言われる糸を使って織られたモロッコ特産の手織物。
待てども来るはずのない観光客に一抹の期待をかけて、ひっそりと扉を開けていたおみやげ屋さんから買わせてもらったテキスタイルです。
職人により機織りで手作業で織られています。
サブラとは、サボテンを意味するアラビア語スバル(صبار)と同源の言葉だけあって、サボテンの繊維から作られる糸。
ただ、それは古き良き時代のことであって、今ではその多くがレーヨンから成るのでは?とも言われていたりと謎の多い素材です。
(情報収集や情報交換を決して怠っている訳ではないのですが。)
səmsəmがいつもお世話になっているサブラ業者からは、サボテン由来には違いはないけれども、メキシコ、エジプトなど外国のサボテンから作られているという説明を受けています。
いずれにしても、サブラ織物がモロッコの手工芸品・おみやげ物として名高いことはまぎれもない事実。
わたし自身、モロッコに移り住んできたばかりの頃には目新しい色彩感覚に魅了されて、気に入る色があれば集め込んではベッドカバー、ソファカバーとしてマルチに使っていたものでした。
その当時に暮らしていたアパルトマンは壁にタイルが貼られていて、モロッコらしい日常の中の柄on柄を楽しんでいたのです。
今回、モロッコへの眼差しを少しずらしてみることで、改めて初心に還る気持ちでサブラ織物を初めて採用してみました。
光沢のあるサブラ、ヴェルヴェットのような風合いのシェニール糸(モール)のふたつの異素材が等間隔で交互に織られていて、この技法により不思議な風合いと滑らかな凹凸感を出しています。
本体を縁取るヴォリューミーかつ繊細なフリンジは、資材屋さんの倉庫の中で眠っていたものを掘り当てたデッドストック。
誰に聞いてみてもはっきりした記憶がないようですが、少なくとも90年代にはすでに生産がなされていなかったということですから、もはや立派なヴィンテージですね。
裏面には、どこかエキゾチックな色柄のコットン生地を使用。ラメ加工がほどこさえており、オリエンタルなムードがあります。
留め具としてあしらったのは、民族衣装・伝統着に用いられる“ラァカド”と呼ばれる飾りボタン。
本体テキスタイルのデザインや色柄に合わせて選んでおります。
(お届けするものが写真と異なる場合がございますが、どんな場合でも必ず可愛いボタンを選びますので、どうかご安心くださいませ。)
家と旅。プライべートとアヴァンチュール。正反対のように見えて、実は表裏一体。
スムスムのインテリアのシリーズでは、日常の中にも旅のエッセンスを取り入れるかのような、心がふわっと喜ぶようなアイテムをお作りしています。
いつものお気に入りの空間に遠い異国の色と柄で挿し色を入れて、自分だけの空間作りをお愉しみください。
そのほかの「クッション」カテゴリーの一覧はこちらから☟
https://www.semsem-paris-marrakech.com/boutique?item=Cushion
※中材は付属しません。カヴァーのみの販売となります。 なお、撮影には55cm角のヌード・クッションを使用しております。
クッション・フランジュ&キャレ〈サブラ・ストライプ〉✴︎
本体
L:縦/約55cm 横/約55cm
フリンジ
長さ 約3cm